taigaのV・ファーレン記

V・ファーレン長崎を中心にサッカー戦術について書くブログです。

原点回帰~アウェイ名古屋戦を振り返る~

こんにちは!taiga(@vvn_taiga)です。

あっという間に秋の気配を感じる季節になりました。気温の寒暖差が激しいので体調管理には気をつけてください(僕はよくこの時期に風邪をひきます・・・笑)。

 

さて、国際試合ウィークも終わり、リーグ戦が再開しました。Vファーレン長崎はここ5試合で5連敗しております。

 

VS サンフレッチェ広島 0-2

VS 鹿島アントラーズ  1-2

VS セレッソ大阪    0-2

VS 柏レイソル     1-5

VS 湘南ベルマーレ   1-3

 

何より問題点なのが失点の多さ。この5試合で3得点14失点(得失点差-11)

いやいや失点多すぎだろ!

なぜここまで負けが続いてしまったのか・・・。それは以前の記事で紹介しているのでこちらをどうぞ。

 

vvn.hatenablog.jp

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簡単に言えば中断期間で取り組んだポゼッション主体のサッカースタイルが上手くいかなかったのです。

 

そんなどん底のなか、今節の相手は名古屋グランパス

 

名古屋は今シーズン守備でのミスが目立ち失点が非常に多く、中断前は最下位。

多分かなりの人がこのまま降格するって思っていたでしょう。

しかし、夏の移籍市場で大きくてこ入れ!!!特に、中谷、丸山、金井、前田といった選手を補強。欠点であったDFの補強をした結果。中断明けからなんと7連勝!!!

浦和、鹿島といった相手にも仕事をさせず、驚異的な攻撃で次々と撃破していました。もはや別のチームです。

そんな状況で果たしてうちは勝てるのか・・・???

5連敗 VS 7連勝 もちろん大半の予想は名古屋。

 

そんな中我々は試合に挑んだわけでした。自分も現地まで行って応援してきました。

チケット完売(瑞穂でしたが)。完全アウェイという状況の中、精一杯応援してきました!!!

 

さて、この試合のスタメンはこちら。

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 この試合でもバイスとファンマはベンチ。黒木、島田のボランチコンビが復帰。

さあこの布陣がどう出るのか・・・。

 

対する名古屋は好調ジョーや前田らがスタメン。特別指定の児玉選手もスタメンでした(年下なんだよなあ。もう新加入が決まっているのすごいですよね)。

 

さてさてこの試合。前半から動きます。

前半主導権を握ったのは長崎。左サイドから中央で澤田選手がもらって前を向き、相手の左サイドバックの金井選手が上がっていたのを見逃さず裏へループパス。飯尾選手が反応し、フリーでおちついて中にロークロス。武蔵選手が相手とつぶれながらも左足をだしてゴール。先制しました。


【公式】ゴール動画:鈴木 武蔵(長崎)8分 名古屋グランパスvsV・ファーレン長崎 明治安田生命J1リーグ 第26節 2018/9/15

 

その後も長崎は名古屋より先にチェックをしていき、ボールカットをしていました。

しかし、前半で名古屋の前田選手がカットインからのいいシュート!!これが決まり同点。


【公式】ゴール動画:前田 直輝(名古屋)30分 名古屋グランパスvsV・ファーレン長崎 明治安田生命J1リーグ 第26節 2018/9/15

 

その後は名古屋ペースが続き、玉田選手のゴールになりかけたものもあり(直前のジョー選手がオフサイドだった)、大変でしたがなんとか粘り前半は1-1で終えます。

 

後半は名古屋の丸山選手からのロングフィードに田上選手に競り勝ったジョー選手が決めて名古屋が逆転。


【公式】ゴール動画:ジョー(名古屋)48分 名古屋グランパスvsV・ファーレン長崎 明治安田生命J1リーグ 第26節 2018/9/15

 

 ここ数試合なら、このまま続けて失点をしてしまうのがうちでした。。。

しかし、今日の長崎は違った!!

再び澤田選手が右に展開。飯尾選手がクロスをあげ、今度はヘディングで武蔵選手のゴール!!!


【公式】ゴール動画:鈴木 武蔵(長崎)53分 名古屋グランパスvsV・ファーレン長崎 明治安田生命J1リーグ 第26節 2018/9/15

 

さらにさらに勢いに乗った長崎は続けて三度、右から澤田選手がクロスをあげて左足で詰めたのは鈴木武蔵!!!!

Jリーグ戦でキャリア初のハットトリック。J参入後での長崎では永井龍、ファンマ両選手に続き三人目!!!

ほんとに嬉しかった。喜びました!!!


【公式】ゴール動画:鈴木 武蔵(長崎)56分 名古屋グランパスvsV・ファーレン長崎 明治安田生命J1リーグ 第26節 2018/9/15

 

そして続けてPKを獲得(ここに関しては意見が分かれる難しい判定になったと思います。僕があまり言及するのはあれですので、他の方が言及したりしているので興味がある方は調べてみるといいと思います。この記事では審判の判断については言及しません。)。

 

そして迷わず中村選手が蹴り、ゴール!!!!! 中村選手は横浜F・マリノス戦以来のゴールでした。


【公式】ゴール動画:中村 慶太(長崎)70分 名古屋グランパスvsV・ファーレン長崎 明治安田生命J1リーグ 第26節 2018/9/15

 

これで4-2とした長崎。しかしながら名古屋の猛攻に遭います。

ゴール前の混戦から最後は再びジョー選手!

強い。上手い。さすがストライカーです。


【公式】ゴール動画:ジョー(名古屋)89分 名古屋グランパスvsV・ファーレン長崎 明治安田生命J1リーグ 第26節 2018/9/15

 

最後の最後まで目が離せない展開になりましたがフルタイム(FT)

長崎が7月のFC東京戦以来の実に8試合ぶりの白星となり、名古屋は8試合ぶりの黒星となりました。

 

正直にいうと僕もここまで点の取り合いをするとは思いませんでした。

この試合。なんで長崎は点を取り、いい内容でサッカーをすることができたのでしょうか????

何点かに分けて分析していきます。

 

1. 原点回帰のサッカー

長崎は元来、粘って粘って粘ってDFをし、ボールを奪ってからの人数をかけた高速カウンターで攻撃をするチームです。

リーグ中断期間明けからの長崎はボールポゼッションにこだわった結果、本来のカウンターを上手く出し切ることが出来ず内容的に良くない試合が多く見られました。

勿論、その他にも主力の負傷離脱、夏の猛暑により走力が減少。などといったほかの要因もあると思っています。

 

チームはこの2週間でじっくりトレーニングを積み、カウンターなどの攻撃の連携を再確認しました。

その結果、名古屋戦では長崎らしい、短時間でボール保持者を何人も追い越して攻めるという、厚みのある攻撃をすることが出来ました。

 

勿論ポゼッションが無駄になった訳ではありません。

試合中カウンターが出来ないと思った時はボールを回し、サイドに散らしながら攻撃のチャンスを伺いました。

1点目はその例といえます。逆サイドからの展開で簡単に相手を崩しました。

 

黒木、島田のボランチコンビがしっかりとリスク管理をしながら攻めることができていたのは良かったです。

そして中村、澤田のコンビもボールを受けに積極的に動き、ボールを保持しながら、時にはキレのあるドリブルで相手に向かいました。

 

この厚みのある攻撃は見ている側からしても本当に面白いものであり、高木監督が目指していたポゼッションを少しばかり形を作れていると思います。

 

しかしながら、時折パスミスなどもあり危ない場面もありましたので、ここは気をつけないといけませんし、改善点だと思います。

 

2. 相手分析の相性の良さ

長崎の高木監督は相手を徹底的に分析しながらサッカーを行う監督であり、ホントに苦労を惜しまない監督です。

そんな監督なので、相手の分析がうまくできない時は修正ができずに苦労する部分が見られています。

 

象徴的なのは天皇杯2回戦の松江シティFC

地域リーグの相手で情報が少なかったこともあり、監督は選手に何も言わずに挑ませました。

その結果延長までもつれこむ大接戦になり、いかに高木監督のサッカーが分析ありきのものであったのかを知る機会になりました。

 

さて、そんな分析サッカーが特に上手くいく時は、相手の特徴がはっきり出ているチームとの対戦。

個性が強いチームとの相性は抜群であります。

 

名古屋といえば風間監督によるサイドバックも積極的にオーバーラップをして攻撃するサッカー。かつ、守備の修正はなかなかしない(というか苦手?)なので、「攻撃は最大の防御!」のサッカーをしています。相手の弱点がはっきり分かり切っていた高木監督。みなさんもどこが弱点だったかわかりましたか??

 

そう、サイドバックが上がることによって生まれるスペースをうまく利用するサッカーです。

案の定、全ての得点はうちの右サイド(相手の左サイド)から攻撃しています。

空いたスペースに走り込み、クロスからのシュート。

センターバックサイドバックの間に生まれたギャップをうまく利用したサッカーは高木監督の狙い目だったと言えます。

これが上手く成功して4点もの得点を取りました。

 

さてさて、高木監督は相手の警戒もしっかり行っていました。それが、ジョーの対策。

ジョーを徳永、高杉、田上のTラインがしっかりとカバーしつつ中盤でジョーが受けた時はフィジカルと高さに強さがあるボランチの黒木がジョーを徹底的に守りに行きました。

前半猛攻にあった時はこの黒木が守ることによってうまれるスペースを狙われた感じです。

 

相手の一点目も玉田選手のゴール前へのランニングによりスペースが生まれ、そこにカットインが得意な前田選手が切り込んで45度からのシュートという感じでした。

 

ジョーにはたいへん苦労しましたがなんとか3点に抑えきれることが出来たのは良しとしたいです。

ほかのチームは6点やら4点やら取られているので3点に抑えれたのはまだましな方と言えます。

勿無失点で抑えるのがベターです、。一点目も足を伸ばせば・・・。3点目もこぼれ球への反応がもう少し早ければ・・・。

守備に関してはすぐに良くなる訳ではありません。

 

今回バイスがメンバーから外れましたが、これには意図があります。

それはジョーの速さに対応するためのラインコントロールを素早くするためです。

 

バイスはそれこそDFに必要なものを持ち合わせていますが、スピードに難があり、それをカバーするために若干オフサイドラインを下げて対応しようとします。

先ほども書きましたがボランチとDFの間のスペースが広くなると、よりジョーや前田といった選手が自由にボールを持つことができるようになります。

 

そこでラインコントロールをしっかりし、コンパクトな布陣にすることで対応したのです。

玉田選手のゴールシーンでもラインをしっかり上げていたので、オフサイドをとることが出来ました。

この点においてバイスはスタメンではなかったと言えます。終盤には相手がパワープレーを仕掛けてきたのでそれの対策としてバイスを入れています。

 

このようにしっかりとした采配で高木監督は挑んだわけです。しっかり明確な意図があってスタメンは決められます。各々の良さが出せていたサッカーでした。

 

3. 前線の3人の動き(特に武蔵選手)

前線の3人(澤田、中村、武蔵選手)のうごきがしっかりしていたのもよかった点です。

 

澤田選手と中村選手はボールを持ちながらドリブル突破をし、相手の脅威になりました。この2人は生粋のドリブラーと言えるのでこの点ではカウンターで有利。

 

さらにこの日の武蔵選手は、高木監督が指導してきたゴール前での入り方を意識し、その結果、自分のもつ高さ、強さを活かして泥臭くゴールを量産しました。

 

武蔵選手に関しては本当に成長が見られます。

 

ゴール前の入り方、シュートを積極的に狙う姿勢。

そして高木サッカーで求められる前線からの守備。これらをこなせるようになった武蔵選手は相手に対するファーストディフェンスとして何度もピンチを救いました。

そして自分の持っているスピード活かして相手を追い越しながらゴール前に侵入していました。これは素晴らしい動きです。

 

これだけのことができるようになるのは本当にすごいです。

高木監督も流石です。若手が多く入ってくる理由のひとつは高木監督が若手育成が上手だからというのもあります。

 

ここまでで調子を上げている武蔵選手。

あとは、パワープレーの要素や、ミドルシュートの精度をあげることが出来るか・・・。

これができるようになると、間違いな代表入りも目指せるはずです。期待しましょう。

 

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 ※出典:gattyimages

 

澤田、中村選手も調子を上げています。特に中村選手の得点はここからさらに彼の調子を上げてくれるはずです!(彼の涙で僕も泣きました。)

 

以上のような理由から長崎は名古屋相手勝利を収めることが出来たと言えます。

 

もちろん、まだまだ不用意なミスを減らしていかなければなりませんが、残り8試合。連戦はないですし、涼しくなってくるのでここからの活躍に期待しましょう。

 

次戦はベガルタ仙台。4位につけている好調な相手。

どこまで良さを潰せるか・・・。期待です。

 

今回は長くなりましたがここまでです。

現地でおあいした皆さん。ありがとうございました!またよろしくお願いします!

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最後まで読んでいただきありがとうございます!

それではまた次回!!