taigaのV・ファーレン記

V・ファーレン長崎を中心にサッカー戦術について書くブログです。

長崎サポ向けにゾーンディフェンスを詳しく説明する ①守備の大原則

こんにちは!

taiga(@vvn_Taiga14)です。

 

前回ゾーンディフェンスについて簡単に書いた記事をだしましたが、結構読んでくださった方がいて、嬉しかったです。ありがとうございます。コメントがブログを書く最大のモチベーションになりますので、ぜひ読んでいただいた感想を教えていただけると幸いです。

 

前回記事はこちらから。

vvn.hatenablog.jp

 

 

 

さてさて。松田監督になって2試合。チームはゾーンディフェンスをとりいれ、守備の仕方が変わってきました。長崎サポーターにもゾーンディフェンスってどんなものなのか浸透してきたと思いますが、まだまだわかりづらい部分もあるかと思います。

 

そこでもう少し詳しくゾーンディフェンスについて書いていこうかなと思います。僕自身のおさらいの場としてこの記事を書くことで、皆様が守備は楽しいんだ。ゾーンディフェンスってこんなことするんだってのを理解していただければ幸いです。

 

シリーズ化して細かく出していこうと思います。

 

今回はゾーンディフェンスに入る手前として、守備とは一体何なのか。守備の基本原則について書いていこうと思います。

 

 

 

 

 

1 守備はボールを奪うこと

 

松田さんも著書で書いていますが、守備はボールを奪うことが最大の目的です。

サッカーはご存知の通り、相手よりも多く点を取った(ゴールを決めた)方が勝ちです。

 

サッカーでゴールを決めるには自分たちがボールを持っている状態でいなければ基本的には決めれません。ボールを奪って自分たちのボールにすることで相手のゴールを脅かすことができます。

 

見方を変えると、ゴールを決められなければ負けることはありません。ゴールを守るためには、相手からボールを奪い返して自分たちがボールを持てば、ゴールを決められることは無くなるのです。

 

だから守備の基本原則はボールを奪うこと。このために色んな監督が色んな戦術を駆使してボールを奪いに行くのです。これが守備。

サッカーは結局は1対1の個のバトルが頻繁に行われます。このバトルを制することで守備も統率されていくのです。

 

 

2 守備の原則

守備をする際に大きく3つの原則があります。

ここでひとつずつ見ていきましょう。

 

 

①常に「ボール」と「ゴールの中心」を結んだ線上に立つ

 

 

ポジショニングは守備において大事な要素になります。適当にピッチに立っているだけじゃ、ボールは奪えませんし、ゴールも決められます。

 

まず守備がやることはゴールを守るために相手を自分たちのゴール方向へ振り向かせないこと。これが大事です。

 

そのためには相手が待つ「ボール」と、自分たちの「ゴールの中心」を結んだ線上に立つ。こうすることで自由にプレーをさせないのです。

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基本はこの形。ライン上に立つ。1番大切です。

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もしもこういう風にライン上に立たないで守備をすると、シュート、ドリブル、パスというゴールへ向かう選択肢が沢山増え、相手もゴールへ向かって行きやすくなります。だから直線上に立つことが大事なのです。

もちろん相手が動いたら直線は変わるので、自分も動く。ポジショニングはとても大切です。

 

ちなみにボールを持っていない選手をマークする際は、ボールとマークを見れるポジションにたつことが大事です。バスケとかも似たような考えですよね。

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ボールとゴールの中心のライン上に立ちながら、マークの相手も同一視野に入れれる距離を保つ。これが大事です。もし、マークの相手にベッタリくっつくと。。。

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ボールを持っている選手は簡単にゴール前にいきますよね。基本はゴールを守るのが最優先。だから直線上に立つ原則は守らねば行けないのです。たまに相手につきすぎてスペースを突かれるというのはプロの世界でもあることです。それくらい大変なことなのですが、守備の大原則として守らなければいけないものです。ゴールを守れなきゃ守備と言えません。

 

 

②優先順位でボールを奪う

 

 

先程からも言っているように、ボールを奪うことが守備の最大の意味です。

自分のマーク相手(ゾーンディフェンスも自分のゾーン内に入ってきている選手はマーク相手となる)に対してボールを奪う。これが大事になってきます。ボールの奪い方の優先順位は以下の通りです。

 

インターセプト

自分のマークの選手へ渡りそうなボールを奪い取る。

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ただしこれは確実に取れるって思った時に行かねばなりません。狙いすぎると裏を狙われます。

 

〇コントロールミスを狙う。

インターセプトが難しかった場合、相手に素早く寄せてコントロールミスを狙います。コントロールミスが出た瞬間に身体を入れて相手からボールを奪い取ります。

 

〇選手を振り向かせないこと

インターセプトも狙えず、トラップミスもしなかった場合、次にやるべきことは、ゴール方向に相手を振り向かせないようにすることです。相手はもちろんゴールを奪うためにゴール方向に身体を向けようとするので、それを阻止することで、相手の判断を後ろ向きや横へのパスに限定することができます。

 

〇ディレイしてサイドへ追いやる。

最後はディレイ((遅らせる)して、相手をサイドへおいやることです。

ディレイすることで、仲間のディフェンスが次の予測をしやすくなります。相手をサイドにおいやることで、相手のプレー方向を限定させることができ、よりボールを奪いやすくなります。

これが基本的なボール奪取の優先順位です。

 

全てが全て上手くいく訳では無いですが、読みが早い選手はインターセプトが得意な人も多いです(昨年のホーム岡山戦で5点目をアシストした磯村選手のプレーはもろ予測勝ちのインターセプトからでした。)

 

【公式】ハイライト:V・ファーレン長崎vsファジアーノ岡山 明治安田生命J2リーグ 第33節 2020/11/11 - YouTube

 

 

③自分たち主導でボールを奪いきる

 

 

守備はどうしても相手の攻撃に振り回されて、後手後手になりやすいのが現実です。しかし、理想としては自分たちが主導となってディフェンスをおこない、相手を自分たちの思うつぼにはめることが出来れば守備は上手く簡単にやれます。

これはゾーンディフェンスの考え方に結びつく原則になります。具体的にはファーストディフェンス(ボール保持者に最初に行くディフェンス)がコースを限定し、その後の選手たちがインターセプトを狙いながら、上手くいかなかったらすぐさまその次を予測しボールを奪いに行く。と言うふうに周りと連動しながら守備を行います。

 

分かりやすい例を書きます。

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2対2で赤11の選手がボールを持っているとします。

青11の選手はゴールを結んだライン上に立ちながら逆サイドへ展開させないようにコースを限定する守備を行います。

 

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こうすることで、赤11は赤10へパスを出さざるを得なくなり(コースの限定)赤10はパスを貰います。パスが出た瞬間に青10は先程の②の原則を狙いに行きます。そして同時に青11は赤11のパスコースを消すように囲いにいきます。

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でたらこのように動いて

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囲みに行く。

こうすることで、ボールに対して数的有利で自分たちの意図通りにボールを奪いきることができます。

 

サッカーはどの場面も同じということがそんなにあるスポーツではありません。だからこそ色んなパターンを練習して試合で実戦経験を積むことで、ディフェンス時の動き方を学んでいく必要があります。守備は守るだけで面白くない。

 

そんなことはありません。いい守備をすることで、ボールを奪いとり、ゴールへ向かうことができます。守備は面白い!!!

 

3 だからゾーンディフェンス

以上が基本的な守備の基本原則です。

守備はボールを奪いに行くものです。

 

マンツーマンディフェンスは前回記事にも書いているように非常にシンプルな考え方でわかりやすいです。

ただし、応用がなかなか出来ないのが難点になります。

 

ゾーンディフェンスは世界のスタンダードな考え方で、この考え方からたくさんの戦術は派生しています。

 

ゾーンディフェンスを小さい頃から習得してくる選手も沢山います。ゾーンディフェンスは考え方こそ最初は難しいのかもしれませんが、ゾーンディフェンスをマスターすることで③の自分たち主導で思う通りにボールを奪い取って攻撃に転ずることができるのです。

 

ゾーンディフェンスを松田監督が推奨する最大の理由はここにあると思います。ゾーンディフェンスは常に自分たち主導で考える受け身の守備ではなく攻撃の守備。だから、ゾーンディフェンスを駆使して攻撃面でもそれを活かそうとしていきたいのだと思っています。

 

 

次回はゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスの違い。メリットデメリットを改めてまとめます。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。それではまた次回!!

 

 

 

(参考書)

・詳しいことはわかりませんが、サッカーの守り方を教えてください(松田浩2018)

・サッカー守備メソッド(冨樫剛一2009)