taigaのV・ファーレン記

V・ファーレン長崎を中心にサッカー戦術について書くブログです。

長崎サポ向けにゾーンディフェンスを詳しく説明する ③4-4-2が最適な理由

こんにちは!taiga(@vvn_Taiga14)です!

 

日岡山戦。新型コロナウィルス感染拡大によりリモートマッチとなりましたが、各々DAZNから、速報から応援していきましょう👍

 

さて、前回からの流れに引き続き、今回もゾーンディフェンスについて詳しく見ていこうと思います。

 

僕自身はプロのライターでもなく、別に戦術もめちゃくちゃ詳しいわけでもないですが(やっぱり監督の意図はチームの内部の人間しか分からない)、それでもできるかぎり皆様に伝えて行ければ思います。

 

今回は、4-4-2を松田監督が好む理由について解説して行ければなと思います。

 

前回記事はこちらから。

 

 

vvn.hatenablog.jp

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それではまいりましょう!

 

 

1. 4-4-2の基本形

一般的にサッカーのフォーメーションの数字はゴールキーパー(GK)を除いたDF-MF-FWの人数で呼ばれます。

 

4-4-2はDF4人の4バック+‪ボランチ(中盤の選手)と両サイドハーフ+2ストライカー(FW)

の構成になっています。

 

ここでは分かりやすく、前節(ホーム千葉)のスタメン図で見ていきます。

 

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4バック+カイオ加藤の2ボランチとルアン澤田のサイドハーフ+エジガル都倉の2トップ

 

各ポジションの役割については以前(3年ほど前)に書いた記事があるのでそちらを参考にしてみてください。

 

 

vvn.hatenablog.jp

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4-4-2はサッカーの基本的なフォーメーションと言えます。バランスよく選手を配置しており、守備も4バックで安定する。という点でたくさんのチームが採用してきました。

もう少し詳しく、見ていきましょう。

 

 

2. バランスがいい4-4-2

 

Jリーグではピッチサイズを105✖️68mと決めています。これはFIFA公式大会のピッチサイズと同じです。この広大なスペースをどう攻略していくかということを考えた時に、4-4-2は安定感を誇ります。各場所に偏りがなく、均等に選手たちを配置することが出来るのです。

 

真ん中にたくさん選手を置くと、サイドが薄くなってしまう。

逆にサイドに置きすぎると真ん中が薄くなってしまう。

このバランスを綺麗に調整する意味でも4-4-2は最も配置の良いフォーメーションといえます。

 

 

では、なぜ松田監督は4-3-3をあまり使わないのでしょうか。

著書では一時期4-3-3でチャレンジしようとしていたことが書かれていました。しかし、4-3-3のメリットとデメリットを考慮した上で使用していないそうです。

 

4-3-3はFWを3枚均等に置いて中盤は真ん中3人を固める形です(中盤の組み合わせは三角形の2-1か逆三角形の1-2か分かれます)

 

この形のメリットは守備でボールを奪った後に、両ワイドにすでにいるFWに幅を取ってもらい、カウンター攻撃に転じやすいというメリットがあります。より、攻撃的思考な考え方なサッカーができ、欧州のチームの強豪チームはこの形をよく採用しています。

 

Jリーグだと川崎フロンターレが利用していてご存知の通り攻撃的サッカーを展開しています。

 

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このようにサイドが幅をとることでカウンターをすることがしやすくなります。

(ただ、真ん中に1枚しかいないので強力な1トップが必要となります。そういう意味では川﨑のレアンドロダミアン選手は理想型です) 

 

 

 

逆にデメリットとしては、中盤が3枚しかいないため、逆サイドのスペースやアンカーの脇にスペースが生まれてしまい、そこを突かれやすいというデメリットがあります。

 

長崎もシーズン序盤はこのボランチの脇を狙われてしまい、ガンガンパスを通され、そこからセンターバックとの1対1という形を多く作られていました。

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どうしても脇は空いてしまいがちで、中盤の運動量の負担が増加してしまう傾向にあります。

 

だからこそ、4-4-2でバランスよく配置させ、各ポジションの選手に均等に守備の負担を分担させることで、体力的消耗も少なく、90分間働けるようになりますし、穴も少なくなるのです。

 

(と言っても4-3-3が上手くハマってるチームも多いやん!ってなりますが、それはゾーンディフェンスの応用系を駆使しています。それは後述。)

 

4-4-2はゾーンディフェンスのオーソドックスな形として松田監督は推奨しているのです。

 

 

3. なぜ2トップなのか

3トップや1トップも多い中で、2トップにする理由はなんなのかについて解説します。

 

現代サッカーではFWの守備も求められています。FWが起点となってチーム全体の守備をはめていくのが基本的な考え方になるのですが、

このFWの守備時に2トップの方が規制をかけやすく、ボールの出しどころを限定しやすい。

 

具体的に書いてみます。

FWに求められるものは「ボールを奪いに行く」ではなく、「ボールの出しどころを制限し、自分たちの取りたい位置に追い込んでいく」ということです。

 

例えば1トップで実践すると

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青11はボールを持つ赤3のセンターバックへ間合いを詰めます。その際に赤2へパスを出すように誘導させます。

ここまではいいのですが、問題はその後。

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その後青11の役割はせっかく追い込んだサイドから逆サイドへ展開されないようにコースを限定しに行くのですが、FWが1枚だと限定する際にひとつのコースしか消せなくなります。ロングキックで反対側の赤4番に出される可能性もあります。規制をかけづらく簡単にボールサイドが変わります。

 

なんなら、最初のセンターバックが持ってる場面でも簡単にもう片方のセンターバックへとパス交換をされ、そこからボランチにボールを入れられる可能性も否めません。

 

つまりファーストディフェンスが非常にかけづらいのです。

一方で2トップがいる場合だと…。

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ここまでは同じです。

 

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そしてサイドにおいやった後、青11は赤3へのパスコースを切る(インターセプトの準備をする)ことに集中できます。

一方で逆サイドの赤4や赤5方向は、もう1枚の青10がケアすることで逆サイドへの展開も防ぐことができます。ファーストディフェンスをしっかりとかけることができ、逆サイドへ展開されるケースが少なくなるのです。

 

逆サイドへ展開されると全体のバランスをもう一度修正せねばならず、全員が動いてしまい、ギャップを生み出してしまう可能性も出てします。

それを防ぐためにも2トップでしっかりと制限をかけてパスコースを限定し続けることで高い位置でボール奪取が可能となり、結果的にゴール前でのチャンスは増加します。

 

さらには2トップが真ん中にいるので、例えば片方にポストプレーをさせてもう片方にフィニッシャーとしての役割を与えるなど攻撃のバリエーションも増やしていけます

 

(都倉というフィジカルモンスターで相手に競り負けることが少なく、ポストプレーをしてくれるタイプとエジガルという様々な得点パターンを合わせ持ったTheストライカーのフィニッシャーをスタメン起用している最大の理由はここにあります。)

 

3トップの場合だと全体的に前がかりにいけますが、逆サイドのワイドの選手は2トップのように高い位置までとってしまうと、サイドの選手をフリーにしてしまい、真ん中を経由してサイドに出されるパターンも少なくないです。サイドの後ろには広大なスペースがありますからそこを突かれたりします。

 

2トップが守備をはめやすいという意味で松田監督は2トップを好みます。

 

ただし、攻撃時に2トップの1枚が降りて4-2-3-1の形になることは別に問題ないと考えられているようです(玉さんがちょくちょくしてる形)。

トップ下に降りることで相手のギャップを狙って攻撃のバリエーションを作り出すことができます。

 

それでも守備時には必ず4-4-2の形へ変形して、2トップで守備をさせたい。それが松田監督の目指すサッカーといえます(なので玉さんの出番も必ず出てくると思っています)

 

 

4. 5枚よりも4枚で守るわけ

 

長崎は以前3-4-2-1の形を採用しており、

守備時にはウイング(2017年の昇格は飯尾翁長コンビが躍動した結果だった)が下がる5-4-1or5-2-3の形で守っていました。この形をいわゆるリトリート戦法といいます(引いて構える)。

Jリーグのチームでも採用している形が多いです。

 

この3バック+2の5バックで守る形は守備の強固さを誇ります(4バックより人1枚多いのだから当たり前)

だけども、この形のデメリットとしては1列目や2列目の人数が少なくなることで、前線からのプレッシングができなくなること。

引いて守ることで、点を奪う機会が減ってしまうこと。

が上げられます。あくまで松田監督は守備の強固さも大事だけど、それよりも点もしっかり取りに行けるサッカーを目指しています。

 

4-4-2の4-2の前の6人でしっかり守備の形を作ることで、相手はグラウンダーのパスではなく、FWへのロングボールを狙うしかできないという状況を生み出せます。そうすることで、守備も守りやすく、対応もしやすくなります。

 

さらに、先述した通り、高い位置でプレスを行うことでカウンターもしやすい形になり、かつ、ワイドの選手の疲労も軽減することができるようになるのです。なので4バックのゾーンディフェンスで松田監督は戦うのです。

 

 

 

 

ここまでで4-4-2のメリットについて書いていきました。他にも4-1-4-1の方が守備的だ。という考えとあったりはしますが、4-1-4-1をできるだけ使わないという理由もあります。が、ここではあまり書かないようにします

(簡潔に書くと1のアンカーが2列目のカバーをするが、その分4-3-3のデメリットと同じでDFと1の間が間延びしてしまい、空いたスペースを狙われやすくなるという点で難しいということです。)

 

 

次回は4-4-2の各ポジションが取るべき守備の仕方についてまとめていければと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!それではまた次回!!